「マンジャロを使うと失明する可能性がある」という情報を見て、不安になった方もいるかもしれません。
2026年9月に改訂されたマンジャロの電子添文には、目と脳をつなぐ視神経の病気である「非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)」について、新たな情報が追加されました。[1]
ただし、現時点でマンジャロがNAIONを引き起こすという因果関係が確認されたわけではありません。また、マンジャロを使用すると高い確率で失明する、という意味でもありません。
この記事では、マンジャロと失明の関係や、NAIONとはどのような病気なのか、注意したい目の症状について、現在わかっている情報をもとに解説します。
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マンジャロで失明する可能性はある?
現時点では、マンジャロが失明を引き起こすと確認されたわけではありません。
マンジャロの電子添文には、次の内容が記載されています。
「薬剤との因果関係は明らかではないが、GLP-1受容体作動薬投与後に非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)の発現リスク増加の可能性を示唆する観察研究等が報告されている」[1]
つまり、GLP-1に作用するお薬を使用した方のデータを調べた一部の研究で、NAIONが多くみられる可能性が報告されたものの、お薬が直接の原因であるかどうかはわかっていない、という段階です。
そのため、「マンジャロを使用すると失明する」と断定することはできません。一方で、急な視力低下などがみられた場合は、放置せず速やかに医療機関を受診することが大切です。

2026年9月、マンジャロの電子添文に追加された内容
2026年9月に改訂されたマンジャロの電子添文では、「その他の注意」の項目にNAIONに関する情報が追加されました。[1]
ここで重要なのは、NAIONがマンジャロの「重大な副作用」として追加されたわけではない点です。
今回追加されたのは、観察研究などでリスク増加の可能性が報告されていることを医療従事者へ知らせるための情報です。
また、電子添文に注意事項が追加されたことだけで、マンジャロとNAIONの因果関係が証明されたことにはなりません。
ただし、新しい安全性情報として追加された以上、使用中に視力や見え方の変化があった場合は、そのまま様子を見続けないことが大切です。
NAIONとは?
NAIONは、「非動脈炎性前部虚血性視神経症」の略称です。
目で見た情報は、視神経を通って脳へ伝えられます。NAIONは、視神経の前方に十分な血液が届かなくなることで、視神経に障害が起こる病気です。[2]
一般的には、次のような特徴があります。
- 突然、片方の目が見えにくくなる
- 目の痛みを伴わないことが多い
- 視界の一部が欠ける
- 視界が暗く感じる
- ぼやけて見える
- 色の見え方が変わる
症状の程度には個人差があり、必ずしも完全に見えなくなるわけではありません。[2]
ただし、急な視力低下を起こす病気はNAION以外にもあります。症状だけで自己判断することはできないため、突然見え方が変わった場合は、速やかに眼科を受診してください。

マンジャロとNAIONの因果関係は確認されている?
マンジャロとNAIONの因果関係は、現時点では確認されていません。[1]
マンジャロの有効成分であるチルゼパチドや、同じようにGLP-1受容体へ作用するお薬について、NAIONとの関連を調べた複数の観察研究があります。
一部の研究ではリスク増加の可能性が示された一方、明確な関連が確認されなかった解析もあります。[3][4]
研究結果が一致していない背景には、次のような点が関係しています。
- 多くが診療記録をあとから調べる観察研究である
- 研究によって対象者や比較するお薬が異なる
- NAION自体の発症数が少ない
- 糖尿病や肥満など、NAIONに関係するほかの要因の影響を完全には取り除けない
観察研究では、お薬を使用した人と使用していない人の間に違いがあったとしても、それだけで「お薬が原因だった」と証明することはできません。

これまでの研究でわかっていること
2025年に発表された米国の診療データを用いた研究では、2型糖尿病のある方を対象に、セマグルチドまたはチルゼパチドを使用したグループと、ほかの糖尿病治療薬を使用したグループが比較されました。[3]
条件を調整して比較した各79,699人のうち、2年間にNAIONと診断された方は次のとおりでした。
- セマグルチドまたはチルゼパチドを使用したグループ:35人(0.04%)
- ほかの糖尿病治療薬を使用したグループ:19人(0.02%)
この研究では、セマグルチドまたはチルゼパチドを使用したグループでNAIONが多くみられましたが、発症した方の割合はどちらのグループでも低いものでした。[3]
また、この研究は2つのお薬をまとめて解析しているため、マンジャロだけのリスクを示した結果ではありません。研究者も、診療記録を用いた観察研究であることから、因果関係を結論づけることはできないとしています。[3]
一方、無作為化比較試験をまとめた解析では、GLP-1受容体作動薬とNAIONの間に明確な関連は確認されませんでした。[4]
このように、現時点では研究結果にばらつきがあり、マンジャロがNAIONを引き起こすかどうかは明らかになっていません。
NAIONになりやすい人はいる?
NAIONは、マンジャロを使用していない方にも起こる病気です。これまでの研究では、次のような要因との関連が報告されています。[3][5]
- 糖尿病
- 高血圧
- 脂質異常症
- 肥満
- 睡眠時無呼吸症候群
- 喫煙
- 加齢
ただし、これらに当てはまるからといって、必ずNAIONになるわけではありません。また、該当しない方に起こらないという意味でもありません。もともと目の病気がある方や、過去に急な視力低下を経験したことがある方は、マンジャロの使用前や使用中に医師へ伝えておきましょう。
なお、糖尿病のある方では、NAIONとは別に糖尿病網膜症によって視力が低下することもあります。
マンジャロの電子添文にも、急激な血糖コントロールの改善に伴い、糖尿病網膜症が現れたり悪化したりすることがあるため、注意するよう記載されています。[1]
マンジャロ使用中に注意したい目の症状
マンジャロ使用中に、次のような症状が突然現れた場合は、速やかに眼科などの医療機関を受診してください。
- 片方または両方の目が急に見えにくくなった
- 視界の一部が欠けた
- 視界が急に暗くなった
- 急にぼやけて見えるようになった
- 色の見え方が変わった
- これまでになかった視力低下を感じた
NAIONでは、痛みを伴わずに視力が低下することがあります。[2]
「目が痛くないから大丈夫」と判断せず、急な見え方の変化がある場合は早めに受診しましょう。
また、急な視力低下には、網膜剥離や網膜血管の病気など、NAION以外の原因も考えられます。原因を特定するためには眼科での診察や検査が必要です。
目の症状が出たらどうすればいい?
急な視力低下や視野の欠けなどが現れた場合は、次のように対応してください。
速やかに眼科を受診する
突然見えにくくなった場合は、次の診察日まで待たず、速やかに眼科へ相談してください。受診する際は、マンジャロを使用していることや、最後に注射した日、症状が始まった時間を伝えるとよいでしょう。
自動車の運転を控える
見え方に異常がある状態での運転は危険です。自分で運転して受診せず、家族に送ってもらう、タクシーを利用するなど、安全な移動手段を選んでください。
自己判断で投与を続けたり中止したりしない
目の症状がマンジャロによるものかどうかは、症状だけでは判断できません。次回の投与については、処方した医師や受診した眼科医の指示を確認してください。ただし、受診を遅らせて次の注射日まで様子を見ることは避けましょう。
不安ならマンジャロを中止したほうがいい?
目の症状がない場合に、「失明するかもしれない」という情報だけを理由に、自己判断でマンジャロを中止する必要があるとは限りません。マンジャロを使用するメリットと注意すべきリスクは、使用目的や健康状態によって異なります。
特に2型糖尿病の治療で使用している場合、急に中止すると血糖値に影響する可能性があります。
不安がある場合は、次のような点を医師に伝えて相談してみてください。
- 目の病気を指摘されたことがある
- 過去に急な視力低下を経験した
- 糖尿病網膜症がある
- 見え方に気になる変化がある
- NAIONの情報を見て、治療を続けることに不安がある
症状や既往歴、治療の目的などを確認したうえで、今後の使用について医師と一緒に考えることが大切です。
ジュニパーなら、治療中の不安もLINEで相談
マンジャロを続けるなかで、新しい副作用の情報を見て不安になったり、「この症状は受診したほうがいい?」と迷ったりすることもあるでしょう。
ジュニパーでは、お薬の使い方や体調の変化、副作用に関する疑問をLINEでご相談いただけます。
ただし、急な視力低下や視野の欠けなどがある場合は、LINEでの回答を待たず、速やかに眼科などの医療機関を受診してください。

マンジャロと失明についてよくある質問
Q. マンジャロを使うと失明するのですか?
マンジャロが失明を引き起こすと確認されたわけではありません。
電子添文には、GLP-1受容体作動薬の使用後にNAIONのリスクが増加する可能性を示した観察研究があるものの、薬剤との因果関係は明らかではないと記載されています。[1]
Q. NAIONはマンジャロの重大な副作用ですか?
2026年9月時点では、NAIONはマンジャロの電子添文の「重大な副作用」には記載されていません。観察研究などで報告された情報として、「その他の注意」の項目に記載されています。[1]
Q. マンジャロを使っている人は眼科検診を受けるべきですか?
すべての方に一律で特別な眼科検診が必要と決められているわけではありません。ただし、糖尿病のある方は、糖尿病網膜症の確認のために定期的な眼科受診が必要になることがあります。もともと目の病気がある方や、見え方に変化がある方は、医師または眼科医に相談してください。
Q. 視界が少しぼやけるだけでも受診したほうがいいですか?
ぼやけの原因は、目の疲れや乾燥、血糖値の変化などさまざまです。ただし、突然ぼやけた、片方の目だけ見えにくい、視界の一部が欠けるなどの変化がある場合は、速やかに眼科を受診してください。
Q. 目の症状が出たらマンジャロを中止するべきですか?
目の症状がマンジャロによるものかどうかは、自己判断できません。まずは速やかに眼科を受診し、マンジャロを使用していることを伝えてください。次回の投与については、処方した医師や眼科医の指示を確認しましょう。
Q. コンタクトレンズによる目の乾燥もNAIONの症状ですか?
目の乾燥だけでNAIONと判断することはできません。NAIONでは、一般的に急な視力低下や視野の欠けなどがみられます。乾燥に加えて、突然見えにくくなった場合や視界に異常がある場合は眼科へ相談してください。
まとめ
マンジャロと失明、NAIONについて、今回のポイントをまとめます。
- マンジャロが失明を引き起こすと確認されたわけではない
- 2026年9月、電子添文にNAIONに関する情報が追加された
- 薬剤とNAIONの因果関係は明らかになっていない
- 一部の観察研究ではリスク増加の可能性が示された
- 研究でNAIONを発症した方の割合は低かった
- 急な視力低下や視野の欠けがある場合は、速やかに眼科を受診する
- 不安だけを理由に自己判断でマンジャロを中止せず、医師に相談する
「失明の可能性がある」という言葉だけを見ると、不安を感じるかもしれません。
しかし、電子添文への追記は、マンジャロによる失明が確認されたという意味ではありません。現時点でわかっていることと、まだ明らかになっていないことを分けて考えることが大切です。
目の症状がない場合でも、治療を続けることに不安がある方は、処方した医師や薬剤師に相談してみましょう。
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※本記事の情報は2026年9月時点のものです。※マンジャロは日本国内では2型糖尿病の治療薬として承認されています。メディカルダイエットを目的とした使用は、承認された効能・効果の範囲外です。※本記事は情報提供を目的としており、個別の診断や治療に代わるものではありません。急な視力低下などがある場合は、速やかに医療機関を受診してください。※治療の効果や副作用の現れ方には個人差があります。


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