リベルサスとは
減量にも効果的な肥満治療薬として、オゼンピック・サクセンダ・ウゴービの名前を聞いたことがある方は多いかもしれませんが、リベルサスについてはいかがでしょうか。
リベルサスがどのようなお薬か、効果や正しい飲み方についてご案内します。また、飲み忘れたときなど「こんなときどうする?」なよくあるご質問をまとめました。
お薬について
リベルサスは、成人の2型糖尿病を治療するための経口タイプの飲み薬です。GLP-1受容体作動薬に分類されるセマグルチドという有効成分が含まており、糖尿病の注射型治療薬であるオゼンピックにも、同じ成分が含まれています。
セマグルチドは、肥満治療の薬としても脚光を浴び、すでに諸外国では積極的に用いられています。
またリベルサスは、血糖値が高いときに血糖を下げるように働くので、血糖値のコントロールに効果的で、かつ他の糖尿病薬と比較し低血糖のリスクが低いお薬です。
効果
リベルサスはもともと成人向けの糖尿病治療薬として開発され、主に2型糖尿病の治療に用いられます。
アメリカの研究で、2型糖尿病の治療中であり、体重が88~89kgかつリベルサスを内服している方を対象に効果を検証したものがあります。参加者は3つのグループに分けられ、1つ目のグループは7mgのリベルサスを、2つ目のグループは14mg(最大容量)を、3つ目のグループはプラセボ(偽薬)を内服しました。
26週間(半年)内服を続けた結果、
- 7mg:平均で約2.3kgの減量
- 14mg(最大容量):平均で約3.6kgの減量
- プラセボ(偽薬):平均で約1kg未満の減量
の減量が見られました[1]。研究の中では、体重がより高い人、あるいは消化器の問題に悩まされている人ほど、リベルサス内服による減量の効果が大きいと示唆されています。
ただし効果には個人差があり、食事・運動といった生活習慣の改善を合わせることが重要です。ご紹介した研究も、バランスの良い食事と適度な運動を組み合わせて出ている効果です。
また、別の臨床試験では、リベルサスが心機能の維持につながる効果があるとの見解が示されました。
高血糖状態が続くと血管がもろくなることから、特に糖尿病の患者は心臓病のリスクが高いと考えられています。その点を踏まえると、これは特に大きなメリットです[2]。
作用機序
肥満治療に使われる理由は、リベルサスの有効成分であるセマグルチドが小腸のホルモンである「GLP-1」を模倣されていることから始まります。
GLP-1は食べ物が身体に入ってきたのを感知し、満腹のサインを脳に知らせます。また、胃に食物を長く留まらせる(胃からの排出を遅らせる)効果もあり、この2つの効果で満腹感を長続きさせ、食べ過ぎを防ぐことができます。同時に腸のブドウ糖吸収の減少をもたらし、血糖値とインスリン抵抗性を低減させることにも繋がります。
こうした効能をバランスの良い食事と適度な運動といった生活習慣の改善と組み合わせることで、効果的に肥満解消ができます。
リベルサスの飲み方
リベルサスの用量について
リベルサスは、毎日内服が必要な飲み薬です。診療の際に、医師が健康状態や薬歴などから用量を決めて処方します。医師の指示を必ず守って内服してください。
通常、2型糖尿病の成人へのリベルサスは、3mgから開始し、約1ヶ月続けていきます。身体が薬に慣れるための期間です。その後、身体の反応や副作用など状況を見て、7mgを約1ヶ月、次は14mgと用量を増やして内服を続けます。
飲み方のコツ
リベルサスの飲み方にはコツがあります。1日1回、必ず空腹時に、コップ半分の水(120ml)で飲みましょう。
お茶・コーヒー・味噌汁・服薬ゼリーなどお水以外のものでは飲めません。また、120mlより多い水でもいけません。
空腹の状態が作りやすい、朝食前が一番おすすめのタイミングです。朝食の少なくとも30分前に服用し、飲んでから30分は、他のお薬・サプリメント・飲み物・食べ物すべて摂らずに過ごします。
なぜここまでのルールがあるのか?その理由は単純で、リベルサスは胃での吸収率が最大1%と低いため[2]、他のものが一切胃に入っていない状態である、食前が推奨されています。食事や飲み物を摂ったあとになると、既に低い吸収率がさらに低下し、お薬の最大の効果を得ることができません。
もしも食前にリベルサスを飲み忘れた場合、その分はスキップして、次の日から通常の1日1回のスケジュールに戻ってください。忘れた分を補うために、追加で飲むことはやめてください。
飲みあわせの注意
リベルサスには、飲みあわせに気をつけた方が良いお薬があります。併用に注意したほうがいいお薬の一例としては、他の糖尿病薬、GLP-1製剤、甲状腺薬、経口避妊薬(ピル)などがあります。今使っているお薬やサプリメントがある場合、診療の際に必ず医師にお伝えください。
リベルサスの副作用について
お薬の副作用は、特に心配になるもの。よく起こる副作用・重篤な副作用・副作用対策を詳しく解説した記事があるので、ぜひこちらからチェックしてみてください。
https://www.myjuniper.jp/blog/rybelsus-side-effects
よくある質問
ジュニパーでは、お薬の処方だけではありません。医師・看護師・薬剤師でなる医療チームのサポートが追加費用なしで含まれています。お薬を始めてからも、副作用など心配なことやお薬の管理など個別に何度でもご質問いただけます。医療チームからも定期的にチェックインがあり、フォローアップ診療の手配も無料で可能です。
ここでは医療チームに寄せられる、よくあるご質問をまとめました。
リベルサスを朝以外に飲めますか?
はい、胃が空っぽのときに飲むことができます。胃に食べ物が入っている状態だと吸収ができません。食べ物は2-3時間程度は胃にとどまるため、最低でも前の食事が終わって2-3時間は空けるほうが良いと考えられます[4]。
リベルサスの摂取を忘れたときは?
飲み忘れた場合は、その日の分を飛ばして、翌日から通常通りの服用を行なってください。
忘れた分をまとめて一度に服用することはお止めください。
リベルサスの粒を潰したり、噛んで飲めますか?
リベルサス錠は潰したり割ったり噛んだりしないでください。有効成分の吸収がうまくできず、効果に影響があります。錠剤は噛まずにそのまま飲み込んでください。飲み込むのに苦労する場合は、医師に相談してください。
妊活中・妊娠中
妊娠・出産を検討している場合は、妊娠を計画する2か月前までにリベルサスの服用を中止することが推奨されています。妊娠中は使用できません。
また、再開のタイミングは授乳を止めた後とされています。
授乳中
授乳中はリベルサスを使用できません。人間を明確なデータはありませんが、動物実験では母乳に成分が移行することが確認されています。
停滞期 / 体重が減りません
リベルサスは効果的なお薬ですが繊細であり、飲み方にコツが必要です。そのため、
- 水で飲めているか
- 水の量は120ml(コップ半分)以下か
- 空腹状態で飲んでいるか
- 飲んだあと30分は他の食べ物や飲み物を飲んでいないか
といった、条件をすべて守ったときに最大の効果が発揮されます。まずはここが守れているかを確認すると良いでしょう。
また、お薬単体でのアプローチより食事・運動といった生活習慣の改善を並行させていくほうが、減量につながる可能性が高いです。お食事の内容や量、運動の量などを見直し、無理のない範囲で改善していくとより効果的です。
ただ、「どのように生活習慣を改善していけばいいのかわからない」「自分なりにやり尽くしたが変わらなかった」「辛いことは続かない」などお悩みも多いのが生活習慣の改善。停滞期はモチベーションが下がってしまい、続けてきたことをやめてしまうきっかけにもなります。
このようなお悩みがある方は、ぜひジュニパーに相談してみませんか?
ジュニパーは、包括的プログラムです。診療・お薬の処方だけでなく、医師・看護師・薬剤師による処方後の医療サポート、管理栄養士による栄養や運動に関するパーソナルコーチングがすべてセットになっています。医師が診察の上、必要と判断した方にプログラムが処方されます。
肥満を解消し、減量した体重をリバウンドなく維持するためには包括的なアプローチが肝心。だからこそ私たちはただお薬を処方して終わりではなく、包括的なプログラムを提供しています。無理なく、確実に目標を達成するために、ぜひ一歩踏み出してみませんか?