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糖尿病予備軍の治療について知っておくべきこと

糖尿病予備軍の発症リスクの高い人や症状、治療方法、改善のためのヒントについて詳しく説明します。

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糖尿病とは、体がブドウ糖をエネルギーに変換することが困難になり、血糖値が高くなる状態のことで、私たちのほとんどが聞いたことがある病気です [1]。

しかし、糖尿病予備軍についてはあまり聞いたことがないかもしれません。

糖尿病とまったく同じレベルではありませんが、糖尿病予備軍は2型糖尿病を発症するリスクが高いことを意味するため、非常に真剣に受け止める必要があります。 実際に、発症の可能性は平均的な人の10~20倍です [1]。

しかし、適切なライフスタイルの変更と医療サポートがあれば、危険因子の一部を低下させ、2型糖尿病を発症する可能性を減らすことができます。

ここでは、糖尿病予備軍について知っておくべきことをご紹介します。

糖尿病予備軍とは

平成28年の「国民健康・栄養調査」によると、糖尿病予備軍は日本に推計約1,000万人[2]いると言われています。

糖尿病予備軍とは、血糖値が正常より高いが、2型糖尿病と診断されるほど高くはない状態を指します [3] 。糖尿病予備軍の場合、それは体内の細胞がインスリンに対して正常に反応していないことを意味します[3]。

これは、血糖値が正常より高いが糖尿病と呼べるほど高くないことを意味する耐糖能異常 (IGT)、または空腹時血糖値が正常より高い空腹時血糖値異常 (IFG) として知られる場合があります。 経口ブドウ糖負荷試験によって診断されます[3]。

経口ブドウ糖負荷試験は血糖値が高くなった後に行われ、8時間の絶食とその後に甘い飲み物を飲むことが含まれます[1]。 その後、1時間後と2時間後に血液検査を行い、血糖値を測定します。

多くの場合、糖尿病予備軍の方は心血管疾患と2型糖尿病の両方を発症するリスクが高くなります [3]。

糖尿病とインスリンの関係について

インスリンは膵臓が生成するホルモンで、血中のブドウ糖(摂取した食べ物から得られる)が筋肉、脂肪、肝臓の細胞に取り込まれ、エネルギーとして利用できるようにするのを助けます[4]。

食後にグルコース値または血糖値が上昇すると、膵臓が血中にインスリンを放出し、血糖値を正常範囲に保つために血糖値を下げます[4]。

ほとんどの人の体は、血糖値を問題なく調節できます。しかし、膵臓から送り出されるインスリンに体の細胞が反応しなくなる「インスリン抵抗性」と呼ばれる問題を経験する方もいます[5]。

インスリン抵抗性がある方の場合、筋肉・脂肪・肝臓が血液からブドウ糖を取り込むのに苦労します[5]。 その後、膵臓はより多くのインスリンを生成しようとしますが、最終的には追いつかなくなり、血糖値が上昇し続けます [5]。

糖尿病予備軍は症状が出ない?

糖尿病予備軍が困難だとされる側面の1つは、多くの人において症状が現れないこと。 明確な兆候がないため、血糖値を検査しなければ、糖尿病予備軍だということを長期間診断されないままになる可能性があります。

糖尿病予備軍の症状がない場合でも、高血圧や高コレステロール2型糖尿病の家族歴、妊娠中の妊娠糖尿病の経験、多嚢胞性卵巣症候群、過体重などの要因はすべて、糖尿病の兆候である可能性があり、糖尿病予備軍を発症する確率が高くなります[1]。

糖尿病予備軍が2型糖尿病の段階に進んだ場合、頻尿、かすみ目、疲労感、喉の渇きなどの症状が現れることがあります [1]。

糖尿病予備軍の可能性があるのはどんな人?

人口統計上で照らし合わせると、糖尿病予備軍のリスクが高い特定のグループが存在します。

2型糖尿病の家族歴、多嚢胞性卵巣症候群、妊娠中の妊娠糖尿病、または過去に大きな赤ちゃんを出産した経験があるなどの医学的要因が関与する可能性があります。

他には、太りすぎ、ウエストサイズが大きい(日本臨床内科医会によると、男性で85cm、女性で90cm以上[6])、喫煙、身体活動をしていないこと、高トリグリセリド(血中脂肪)と低HDL-C(善玉コレステロール)、または総コレステロールと LDL コレステロールが高いなどの危険因子もあります[5]。

糖尿病予備軍は治るのか

診断された時期によっては、2型糖尿病に進行する前に回復する可能性があります。 また、特定のリスク要因と、それらを自分の力で管理・制御できるかどうかによっても異なります。

たとえば、家族歴やその他の病状があることによりリスクがある場合、残念ながらそれらを変えることはできません[2]。

過体重、高血圧や高コレステロール値、身体活動をほとんどまたはまったく行っていないなどの危険因子がある方は、ライフスタイルの変更や投薬によって進行を食い止められる可能性があります[3]。

糖尿病予備軍の治療法は

疾病管理(特定の慢性疾患のリスクを生涯にわたり管理し、予防を目指すこと)は単純で簡単なことではありませんが、適切な医療サポートとライフスタイルの変更により、糖尿病予備軍を管理し、2型糖尿病に進行しないようにすることが可能です [7]。

一般的に、糖尿病予備軍の治療には、2型糖尿病患者に推奨されるのと同様のライフスタイル変更が含まれます。

定期的に体を動かすことは、糖尿病予備軍の治療にさまざまな利点があります。インスリンの働きが良くなり、血圧、血糖値、コレステロール値の低下や、体重管理にも役立ちます[3]。

日常の習慣でいうと、喫煙もインスリン抵抗性の一因となっている可能性があります[4]。

飽和脂肪を減らして健康的な脂肪を増やし、果物、野菜、全粒穀物をたくさん食べるなど、ヘルシーな食事も推奨されており、減量に役立ちます。

ジュニパープログラムは、減量にアプローチするもう1つの方法。ジュニパープログラムは、消化を調節することで食欲を抑制し、体のセットポイント(脳が認識する理想体重)を下げる画期的な医薬品とライフスタイルの変化を組み合わせて、長期的な減量を達成できるように設計されました。 プログラムには、ヘルスコーチと提携医師によるサポートも含まれています。

ジュニパープログラムは、日頃の食事や運動との関係性を変える方法や、減量に長期的な変化を起こすための様々なツールを提供します。 これにより、一度減量を成功させると、将来にわたって健康的な選択を続けるための知識も得られるでしょう。

ご自身のライフスタイルに適切な変更を加えることで、2型糖尿病を発症する可能性だけでなく、心臓病などの他の疾患を発症する可能性も減らすことができます。

インスリン抵抗性または糖尿病予備軍の疑いがある場合は、必ず医師に相談して危険因子を評価してもらい、グルコース負荷試験の計画や、ライフスタイル変更を含むプログラムを始められるかどうか話し合ってください。

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