「封筒をひらくと、『肥満』の二文字が目に飛び込んできた…」
健康診断の結果を受け取る瞬間は、誰にとっても少しばかり緊張するものです。
特に「肥満」と診断された場合、「BMIが25以上って、そんなに太っているの?」「生活習慣病のリスクが上がるって言われたけど、具体的な対策がわからない」と、戸惑う気持ちもあるのではないでしょうか。
「肥満」と診断されたときに大切なのは、自分の身体の状態を正しく理解し、適切な対策を講じること。
この記事では、肥満の定義、リスク、そして今日から実践できる具体的な改善策までを網羅的に解説します。
1. 「肥満」とは?まずは正しい知識を身につけよう
肥満かどうかを判断する基準として、最も一般的に用いられるのが BMI(Body Mass Index) です。これは、身長と体重から算出される体格指数であり、肥満度を客観的に評価するツールとして世界中で広く認知されています。
BMIの計算式 は、以下の通りです。
BMI=身長(m)2体重(kg)

例えば、身長170cm(1.7m)、体重75kgの方の場合、BMIは以下の計算で求められます。
75÷(1.7×1.7)=25.95
このケースでは、BMIは25.95となり、「肥満」に分類されます。
こちらのサイトでは、ご自身のBMIが簡単に計算ができます。>>>BMI計算
2. 自分の肥満度をチェック!BMI判定基準の詳細と注意点
BMIの数値によって以下のように分類されます。この基準は、日本肥満学会が定めており、国際的なガイドラインとも整合性がとれています。[1]
「標準体重」とされるのは、BMIが18.5~24.9の範囲です。22がもっとも病気が少ないといわれています。
しかし、BMI値はあくまでも目安であり、筋肉量や体脂肪率も考慮に入れる必要があります。特に、アスリートや筋肉質な方は、BMI値が高くても必ずしも肥満とは限りません。
より正確な体の状態を把握するためには、体組成計を用いた測定をおすすめします。「肥満度1」はBMI25〜29.9に該当し、BMI30以上、特に35を超えると疾病リスクが非常に高い状態です。
【健康診断で引っかかるBMIは?】
一般的に、健康診断で「要注意」や「要指導」と判定されるのは、BMIが25以上の場合です。
【身長160cmのぽっちゃり体重の目安は?】
身長160cmの場合、BMIが25以上になる体重は、約64kg以上です。しかし、これはあくまでも目安であり、筋肉量などによって個人差があります。
3. 肥満のリスクは?放置するとどうなる?【詳しく解説】

肥満を放置すると、様々な疾病リスクが高まることは広く知られています。肥満は、単に「体重が増えた」という状態ではなく、以下のリスクを高める、非常に深刻な状態です。[2]
- 糖尿病: 血糖値コントロールが困難になり、インスリンの働きが低下。
- 高血圧: 血管への負担が増大し、動脈硬化につながる可能性が上昇。
- 脂質異常症: 悪玉コレステロールや中性脂肪が増加し、血管疾患を誘発。
- 心血管疾患: 冠動脈疾患、心筋梗塞、脳卒中などのリスクが上昇。
- 睡眠時無呼吸症候群: 睡眠中の呼吸が一時的に止まり、酸素不足に陥る。
- 関節疾患: 膝や股関節への負担が増大し、変形性関節症のリスクが上昇。
特に注意が必要なのは、内臓脂肪の蓄積です。内臓脂肪は、皮下脂肪よりも生活習慣病との関連性が深く、体重が標準範囲内であっても、お腹周りの脂肪が多い場合は、メタボリックシンドロームと診断される可能性があります。腹囲を測るのは、内臓脂肪の蓄積度合いを把握するためです。
【メタボリックシンドロームとは?】
内臓脂肪型肥満に加えて、高血圧、高血糖、脂質異常のうち2つ以上を併発した状態を指し、通称メタボとも呼ばれるます。メタボかどうかを判定するには、腹囲の測定と血液検査の結果を総合的に判断する必要があります。
【診断基準(腹囲)】
- 男性:腹囲85cm以上
- 女性:腹囲90cm以上
腹囲の正常値は?
腹囲の正常値は、上記のメタボリックシンドロームの基準値を下回る値です。つまり、男性は85cm未満、女性は90cm未満が目安となります。
【メタボ検診は何歳から?】
特定健診(メタボ検診)は、40歳以上の方が対象となります。
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4. 肥満を解消するための具体的なステップ【今日からできること】

「肥満を改善したいけど、何から始めればいいのかわからない…」という方は少なくありません。そこで、今日から実践できる、具体的なステップを以下に示します。
食生活の見直し
- バランスの良い食事: 炭水化物、タンパク質、脂質をバランス良く摂取し、野菜や食物繊維を積極的に摂りましょう。欧米化が進んだ現代人の食生活は、脂質や糖質が高くタンパク質が少ない食事になりがちです。揚げ物や加工肉を控えるだけでも脂質のカットに繋がります。鶏むね肉や白身魚、豆類などからタンパク質を摂りましょう。
- 食事時間と回数を一定に: 不規則な食事は、血糖値の乱高下を招き、脂肪を蓄積しやすくなります。勤務の都合で不規則になりがちな場合は、低脂質高タンパク質で消化の良いものを選ぶのも方法です。
- ゆっくりとよく噛んで食べる: よく噛むこと、時間をかけて食べることは満腹中枢を刺激し、食べ過ぎを防ぐことに繋がります。
運動習慣を取り入れる
- 有酸素運動: ウォーキング、ジョギング、水泳などの有酸素運動は、脂肪燃焼に効果的です。とはいえ、忙しい日々の中で運動は難しいもの。エスカレーターではなく階段を使う、少し遠回りして歩くなど、日常生活の中で積極的に体を動かす習慣を身につけましょう。
- 筋トレ: 筋肉量を増やすことで基礎代謝が向上し、痩せやすい体質を作ります。
生活習慣の改善
- 十分な睡眠: 睡眠不足は、食欲を抑えるホルモンが少なくなり、食欲が旺盛になるホルモンが増えるという悪循環を招きます。
- ストレス管理: ストレスは、ホルモンバランスの乱れから食べ過ぎを招きやすくなります。睡眠をしっかりとることはストレス管理にもなり、一石二鳥の効果があります。
- 飲酒は適度に: アルコールはエンプティカロリーと呼ばれ、それそのものに栄養がないのにもかかわらずカロリーだけあるような状態です。また過度の飲酒は、肝臓に負担をかけます。飲酒量を抑える一番最初のステップは、休肝日を作ることです。
- 無理をしない:減量に取り組む中で、モチベーションが低下してしまうことは誰にでもあります。モチベーションが上下するのは自然なことなので、自分を責める必要はありません。
- 大事なことは、モチベーションが下がったときでも続けられる小さな目標を決めておくこと。目標は具体的で達成が可能な、期間を限定したものが良いです。仲間と支え合ったり、専門家に相談するのも良い方法です。
専門家への相談
相談の相手も様々。自分の目標や健康状態に合わせて選ぶとよいです。
- 医師や管理栄養士: 既往歴や内服状況など、体調に合わせた具体的なアドバイスや、食事指導が受けられます。必要な場合は医薬品の処方があるのも良いところです。肥満治療を専門とする医療機関では、より専門的な治療を受けられます。
- 肥満症の治療薬について
日本で肥満症の治療薬として承認されているものには、GLP-1受容体作動薬であるウゴービや、一部薬局で買えるアライなどがあります。特にウゴービは高度肥満症や合併症のある肥満の方を対象に処方されるもので、現状ごく一部の方を対象に保険診療で処方が行われています。自由診療ではウゴービと同様の成分を含むオゼンピックやリベルサス、同じGLP-1のマンジャロもあります。 - GLP-1受容体作動薬について
GLP-1受容体作動薬はもともと2型糖尿病のお薬ですが、胃に食べ物を留めたり、満腹中枢を刺激して食欲を抑制する効果から肥満治療でも用いられる場合があります。効果は個人差がありますが、臨床試験では平均して体重の10~15%程度の減少が見られています。 - アライについて
アライは、脂肪の吸収を抑える薬です。アライは薬局で買えますが、肛門から油が漏れてくるなどといった声も。医師や薬剤師に相談し、正しい使用方法を理解しましょう。
- 肥満症の治療薬について
- パーソナルトレーナー: 運動の専門家として適切な運動プログラムを作成し、目標達成をサポートしてくれます。
5. 専門家があなたの減量をサポートします!

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- オンライン診療:医師が一人ひとりを診察したうえで、必要な方には減量に効果的なお薬を含めたプログラムを処方。いつでもどこでも受診OK。待ち時間や通院時間も不要です。
- 専門家による個別指導:管理栄養士の資格を持つヘルスコーチが、あなたの体質や生活習慣を聞いたうえで、最適なダイエットプランを提案します。
- 医学的根拠に基づいたアプローチ:無理な食事制限やトレーニングではなく、医学的根拠に基づいたアプローチで、安全かつ効果的にダイエットを進めることができます。
- リバウンド防止:あなたに合わせたよい習慣が身につくから、リバウンドも防止できます。
7. まとめ:今こそ、自分の健康に向き合おう!
健康診断で「肥満」と診断されたことは、決してネガティブなことではありません。むしろ、自分の体と向き合い、自分らしいより良い生活を送るための良い機会だと捉えましょう。
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